墓地埋葬法と墓じまい2026年インタラクティブ版

ごあいさつ:お墓の「これから」に悩むすべての方へ

皆様、こんにちは。山形県寒河江市・大江町を中心に、大正10年の創業から地域の皆様のお墓づくりをお手伝いしております、有限会社白田石材です。

お盆やお彼岸の時期になると、「お墓の跡継ぎがいなくて不安」「お墓が遠くてお参りが大変」「墓じまいをしたいけれど手続きが分からない」といったご相談を数多くお寄せいただきます。

実は、日本のお墓や供養に関するルールの多くは、昭和23年に制定された**「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」**に基づいています。このコラムでは、法律の歴史的成り立ちから、現代社会とのズレ、注目の「散骨」や「樹木葬」の知っておくべきポイントまでを詳しく解説いたします。

1. 墓地埋葬法の歴史と「墓じまい」急増の背景

なぜ今、供養のあり方が問われているのか?

日本の墓制の歴史は古く、飛鳥時代の「薄葬令(646年)」や、江戸時代の「寺請制度」により、国民がどこかの寺院に所属しお墓を守る仕組みが作られました。明治に入ると一時的に「火葬禁止令(1873年)」が出されましたが、都市部の墓地不足等からわずか2年で撤廃。1884(明治17)年の「墓地及埋葬取締規則」によって、公衆衛生重視の管理制度が始まりました。

明治17年 (1884)

墓地及埋葬取締規則

公衆衛生の確保と無計画な個人墓地の制限がスタート。

昭和23年 (1948)

墓地埋葬法 制定

「公衆衛生」と「宗教的感情の適合」の両立を目的に制定。

平成23年 (2011)

権限の市町村移譲

許可権限が都道府県から身近な市町村長へ移譲。

令和6〜8年 (2024-26)

デジタル化・省令改正

死亡時刻の厳格記載や標準システム化を推進。

現行の「墓地埋葬法」が制定された昭和23年当時は、長男を筆頭とする「家制度」のもとでお墓を代々引き継ぐことが前提でした。しかし、現代の日本は少子高齢化・核家族化・地方から都市への人口流出が進み、従来通りの継承が極めて困難になっています。その結果、全国で「改葬(お墓の引っ越し・墓じまい)」の件数が急増しています。

日本全国における「改葬(墓じまい等)」件数の推移(推計)

出典:厚生労働省「衛生行政報告例」のデータを基に作成

解説: 2011年には約7.2万件だった改葬件数は、10年余りで15万件超へと倍増。墓守の不在や遠方移住に伴う「墓じまい」が一般的な選択肢となっていることが分かります。

2. 現代において生じている3つの深刻な問題

現行法とライフスタイルのミスマッチが生む現実

01

無縁墓の増加と撤去の壁

跡継ぎがなく放置された「無縁墓」が全国で問題化。撤去には官報公告や1年間の立て札設置など非常に厳しい法定手続きが必要で、墓地管理者の大きな負担となっています。

02

行政手続きの煩雑さ

墓じまいを行うには、墓埋法第5条に基づき、埋蔵証明書・受入証明書を用意して役所で「改葬許可」を受ける必要があります。古いご先祖様の遺骨が多いほど調査が困難を極めます。

03

離檀トラブルの発生

お寺からの離檀時に高額な「離檀料」を請求されトラブルになる事例があります。本来、改葬許可は市町村長の権限であり、憲法第20条で信教の自由も保障されていますが、感情的な対立が生じがちです。

3. 「散骨」と「樹木葬」の正確なルールと注意点

自然回帰ブームの裏にある法的区分とマナー

近年「自然に還りたい」「子どもに負担をかけたくない」という理由から、海洋散骨や樹木葬が注目されています。しかし、これら2つは法的に全く異なる扱いとなります。

比較項目 海洋散骨(自然葬) 樹木葬(樹木墓)
法的位置づけ 墓地埋葬法の対象外(法務省の見解「節度をもって行えば非違ではない」) 墓地埋葬法上の「埋蔵」に該当(許可を得た墓地内のみ可能)
遺骨の処理方法 1〜2mm以下の粉末状(粉骨)にすることが必須 骨壺のまま、または専用袋に入れて埋蔵(霊園による)
改葬(取り出し) 一度撒くと回収・再改葬は不可能 合祀型(他人の遺骨と一緒)は不可。個別区画なら可能な場合あり
注意点・リスク 後でお参りする「拠り所」がなくなり後悔する遺族が多い 「安価な合祀」を選ぶと後から遺骨を取り出せないため事前の相談が必要
厚生労働省「散骨ガイドライン」のポイント 2021年に公表されたガイドラインでは、陸地から1海里以上離れた海上で実施すること、環境に還らない副葬品を撒かないこと、一般の方への配慮から私服で移動することなど、安全で節度あるマナーが定められています。

供養方法ごとの特徴比較(多角評価)

解説: どの供養法も一長一短があります。「拠り所(お参りできる場所)を残したいか」「残された家族への負担を軽減したいか」という価値観に合わせた選択が重要です。

想いを繋ぐ供養のために

時代や法律がどんなに変遷しても、先祖を敬い、故人を偲ぶ「温かな祈りの心」が変わることはありません。白田石材は、大正時代から培った確かな施工技術と最新の技術を融合させ、お客様お一人おひとりの「これから」に寄り添った最適な供養のカタチをご提案してまいります。