【お墓のコラム】骨壺に水が?お骨は減るの?〜日本各地と世界の納骨事情〜

先日、ある地方にお住まいの女性から、お墓に関するご相談のお電話をいただきました。 「納骨堂(カロート)の中が水浸しで、骨壺の周りに泥が被っていました。お墓では骨壺ごと土に埋めるものなのですか?」という内容でした。 さらにその方は、以前当社のコラムで「火葬したお骨はセラミック化すると1000年くらい持つ」という記事を読まれたそうで、「そんなに長く残るなら、納骨堂がいっぱいになったらどうしよう」と大変ご心配されていました。
そこで私は、「カロート内にはどうしても水が溜まりやすく、泥が上がってしまっただけで、決して土に埋められたわけではありません。また、お骨に関しては、セラミック化しても量的には年々お骨の量は減っていくので安心してくださいね」とお答えしました。
今回はこのエピソードを交えながら、カロートに水が溜まる理由や、日本・世界のお墓事情について詳しく解説いたします。
■骨壺に水が溜まる理由とお骨の行方
なぜ水浸しや泥だらけになるのか?
一般的なお墓において、骨壺をそのまま土に埋めることはありません。骨壺の中に水が溜まる主な原因は「結露」です。お墓のカロートやお寺の納骨堂は密閉されており、湿気がこもりやすくなっています。そこに通気性の悪い陶磁器などの骨壺を置くと、温度変化によって結露が生じ、水滴が溜まってしまいます。さらに大雨などで地下水位が上がると底の泥水が浮き上がり、それが骨壺の周りに堆積することで「土に埋められた」と錯覚してしまうのです。
ご相談者様が心配されていた「お骨の量」についてですが、現代の火葬技術により、高温で焼かれたお骨は確かにセラミック状になり、性質上は非常に長く残ります。しかし、納骨堂という環境の中で湿気を吸い、長い年月を経て少しずつ風化して脆くなっていきます。そのため、たとえセラミック化していても、お骨がずっとそのままの形と体積を保ち続けるわけではなく、年々その量は減っていくのです。納骨堂がすぐにあふれてしまう心配はありませんので、ご安心ください。
■日本国内の納骨方法の違い(関東と関西)

納骨や骨上げの風習は、地域によって大きく異なります。特に西日本と東日本では、骨壺の扱いに大きな違いがあります。
- 関東の納骨事情: 火葬後に全身の骨をすべて拾って骨壺に納める「全骨収骨」が一般的です。そのため、7~8寸(約21cm) と大きめの骨壺や骨箱を使用し、そのままカロートに納めるのが主流です。
- 関西の納骨事情: 喉仏を中心に主要なお骨のみを納める「部分収骨」が主流で、3~5寸(約15cm) の小さめの骨壺を使用します。入りきらない焼骨は火葬場に委ねられます。
この東西の違いは、明治時代に出された火葬禁止令とその後の廃止通達が影響しているという説があります。通達が広く行き渡った関東ではすべてを持ち帰る風習が定着し、関西では本山へ納めるための部分収骨の文化が残ったとされています。
■世界の納骨・埋葬事情

目を海外に向けてみると、文化や宗教によってさらに多様な背景があります。 アメリカやヨーロッパでは、キリスト教の影響により長らく土葬が主流とされてきました。しかし近年は欧米でも変化が起きており、たとえばイギリスの火葬率は近年約81%に達しています。 また環境問題への配慮から、火を使わない新しい方法も登場しています。水とアルカリ化合物を用いて遺体を分解する「アルカリ加水分解 (液体火葬)」や、遺体を堆肥化する「コンポスト葬(リーコンポーズ)」といった手法が、アメリカやイギリスなどの一部地域で合法化され始めています。
■おわりに
地域や国が違えばお墓の形や納骨の仕方も変わりますが、ご先祖様や大切な方を想う気持ちは万国共通です。ここ山形県大江町周辺では、東北・雪国特有の気候に合わせたお墓づくりが欠かせません。お墓のメンテナンスで不安を感じたら、左沢の「有限会社白田石材」までぜひお気軽にご相談ください。
【出典・参考】
- 黒崎小嶺霊園、"お墓の骨壺の中に水がたまる?"、2026年
- マイベストプロ、"関東と関西の葬儀文化①~収骨方法と墓石の色の違い” 2025年
- ライフサポート、"関東と関西の骨壺のサイズは違う?"、2025年
- 松戸家、"意外と知らない? 関東と関西のお墓・葬儀の違い"、2023年



