【白田石材コラム】2025年、変わりゆく葬送のかたち。簡素化の先に見える、本当に大切なこととは。
皆様、こんにちは。山形県西村山郡で、皆様の想いを形にするお手伝いをさせていただいております、白田石材です。
2025年を迎えた今、私たちの暮らしや価値観は大きく変化しました。それは、大切な方をお送りする「葬送」のかたちにも表れています。かつては多くの参列者を招き、通夜、告別式と二日間にわたって行う「一般葬」が主流でした。しかし近年、「家族葬」や「一日葬」、「直葬」といった、より小規模でシンプルな葬送を選ばれる方が増えています。
今回のコラムでは、こうした葬送の簡素化という時代の流れのなかで、その利点と、気を付けたい欠点について詳しく掘り下げていきます。そして、皆様が故人様を心から偲び、後悔のないお別れをするために、私たち白田石材が何をお手伝いできるのかをお伝えしたいと思います。

■広がる、新しい葬送のかたち
まず、近年主流となっている簡素化された葬送のかたちをいくつかご紹介します。
- 家族葬: ご家族やごく親しい方々のみで、通夜や告別式を行う形式です。故人とゆっくりお別れの時間を過ごしたいという方に選ばれています。
- 一日葬: 通夜を行わず、告別式から火葬までを一日で執り行う形式です。ご遺族や参列者の身体的な負担を軽減できるという特徴があります。
- 直葬(火葬式): 通夜や告別式といった儀式を行わず、ごく限られた方で火葬のみを行う最もシンプルな形式です。
これらの葬送が選ばれる背景には、高齢化により参列者が減少していることや、経済的な負担を抑えたいという考え、そして「形式よりも、故人らしく静かに送りたい」という価値観の多様化があります。
■簡素化された葬送の「利点」
シンプルな葬送には、多くの利点があります。
1. 費用の軽減 最も大きな利点として挙げられるのが、経済的な負担の軽減です。大規模な式場や多くの会葬返礼品、通夜振る舞いの飲食費などが不要になるため、葬儀全体の費用を大きく抑えることが可能です。
2. ご遺族の身体的・精神的負担の軽減 大切な方を亡くされた直後のご遺族は、深い悲しみの中にいます。その中で、多くの弔問客への対応に追われることは、心身ともに大きな負担となります。家族葬などの小規模な葬儀では、気心の知れた方々の中で、故人を偲ぶことに集中できます。また、一日葬や直葬は葬儀にかかる日数が短いため、特にご高齢のご遺族にとっては負担の少ない選択肢と言えるでしょう。
3. 故人らしさを尊重したお見送り 形式にとらわれず、故人の好きだった音楽を流したり、思い出の品を飾ったりと、より自由でその人らしい温かみのあるお別れの場を創りやすいのも特徴です。

■知っておきたい「欠点」と注意点
多くの利点がある一方で、葬送を簡素化する際には、事前に理解しておきたい欠点や注意点も存在します。
1. 親族や周囲との関係性 最も多いトラブルが、ご親族や故人と親しかった方々との間に生じるものです。「なぜ知らせてくれなかったのか」「最後のお別れがしたかった」という声が、後からご遺族に寄せられるケースは少なくありません。特に、古くからの慣習を大切にする地域やご親族がいる場合は、なぜその形式を選んだのかを事前に丁寧に説明し、理解を得ておくことが非常に重要です。
2. 葬儀後の弔問対応 葬儀に参列できなかった方々が、後日個別に自宅へ弔問に訪れることが増える傾向があります。その結果、葬儀後の長い期間、断続的に対応に追われることになり、かえってご遺族の負担が増えてしまう可能性も考慮しておく必要があります。
3. お別れの時間の短さによる後悔 直葬のように、お別れの儀式を大きく省略した場合、故人が亡くなったという実感が湧きにくく、「もっときちんとお別れをすればよかった」と後から寂しさや後悔の念に駆られる方もいらっしゃいます。費用や手間の面だけで判断するのではなく、ご自身やご家族の気持ちと向き合う時間が大切です。
4. 菩提寺との関係 菩提寺がある場合、事前に相談なく直葬などを行うと、お寺にあるお墓への納骨を断られてしまう可能性もあります。代々のお墓を守っていくためには、必ず事前にお寺様へ相談しましょう。
■白田石材からのご提案:故人を偲ぶ「心の拠り所」の大切さ
葬送のかたちがどれだけ簡素化されても、大切な人を亡くした悲しみや、故人を想う気持ちそのものが消えるわけではありません。むしろ、儀式が簡略化される現代だからこそ、手を合わせ、故人と心静かに対話できる**「心の拠り所」**の重要性は増していると、私たち白田石材は考えています。
お墓は、亡くなった方の終の棲家であると同時に、遺された私たちがいつでも故人に会いに行ける場所です。お盆やお彼岸、命日、あるいは何か報告したいことができた時。お墓の前に立ち、静かに手を合わせることで、故人との繋がりを再確認し、心が慰められ、また明日へ向かう力を得ることができます。
変わりゆく時代に合わせた供養のかたち
「お墓を建てても、継ぐ人がいない」「子どもに負担をかけたくない」といったお悩みにも、私たちは寄り添います。近年では、従来のお墓よりコンパクトで管理のしやすいデザイン性の高い小さなお墓や、ご遺骨の一部をペンダントや小さな骨壺に入れて身近に置く**「手元供養」**など、供養のかたちも多様化しています。
白田石材では、お客様一人ひとりのご事情や想いを丁寧にお伺いし、伝統的な和型のお墓から、現代のライフスタイルに合った洋型墓石、そしてオリジナルのデザイン墓石まで、最適な供養のかたちをご提案させていただきます。石の専門家として、皆様の想いを何世代にもわたって受け継がれる「かたち」にすること。それが私たちの使命です。

■まとめ
葬送の簡素化は、時代の必然的な流れかもしれません。しかし、その選択をする前に、利点と欠点の両方を深く理解し、ご家族やご親族とよく話し合うことが、後悔のないお別れへの第一歩です。
そして、どのようなかたちでお見送りをしたとしても、故人を偲び、感謝を伝える場所としてのお墓の価値は、決して揺らぐものではありません。
白田石材は、この山形の地で、皆様の心に寄り添い続けます。お墓のこと、供養のことでお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。