未来を創るデジタル技術が「お墓」と「終活」を変える
1. CEATEC 2025が示す「共創」と「パーソナライズ」の未来

先日、幕張メッセで開催されたデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2025」を視察してきました。今年のテーマは「Innovation for All」。あらゆる産業と技術が結びつき、より良い未来を「共創」することが主眼でした。

この「共創」と、各ブースで目にした「パーソナライズされた体験」こそ、私たち石材業界と終活の未来に直結するキーワードだと感じました。
「お墓」はご家族の想いを形にする究極のパーソナルな製品です。そして「終活」は個人の人生観を反映する極めて個人的な活動です。これらのプロセスに、CEATECで見られた最先端のデジタル技術をどう活かせるでしょうか。
2. 「AXパーク」のAI技術がもたらす新しい設計体験
CEATECで特に注目を集めたのが、AI技術が集結した「AX (AI Transformation) パーク」です。ここで展示されていた、生成AIによるデザイン提案や複雑なデータ処理技術は、石材選びのプロセスを劇的に進化させます。
現在、お客様がお墓のデザインや石種を選ぶ際、完成形をイメージするのは難しいものです。
- AIによるデザイン生成・シミュレーション:お客様の「好きな色」「故人の趣味」「予算」などの簡単なキーワードを入力するだけで、AIが瞬時に何百ものオリジナルデザインの図面や3Dモデル を生成。
- VR/メタバースでの完成イメージ体験:提案されたデザインをVRゴーグルで体験し、建立予定地(霊園の風景)と合成してリアルな完成イメージを確認できます。
これにより、お客様は「共創」の主人公となり、納得感の高い「世界に一つだけのお墓」をストレスなくデザインできるようになります。

3. IoT技術が実現する「スマートなお墓」と安心の見守り
会場では、AIoT(AIとIoTの融合)による「暮らしのDXパビリオン」など、生活インフラのスマート化の展示も多数ありました。この技術は、石材業界のサービスを「物」から「サービス」へと転換させます。
- IoT見守りサービスの統合:お墓に小型のセンサーを設置することで、「離れた場所からのお墓の見守り」サービスを提供できます。これにより、墓石の傾きや異常を検知し、お客様に通知するシステムが構築可能です。
- デジタル供養の進化:お墓に設置されたデジタルサイネージやQRコードを通じて、故人の生前の映像やメッセージを再生。遠方でなかなかお墓参りができないご親族も、手軽に故人を偲べる**「デジタル終活のレガシー」**となります。
4. 「海洋デジタル社会パビリオン」に学ぶ「海を活かす終活」
CEATECで特に異彩を放っていたのが「海洋デジタル社会パビリオン」です。海洋資源の活用や環境保全に向けた最先端技術が展示されていました。
これは、「お墓を持たない選択肢」である海洋散骨の未来にヒントを与えてくれます。
- 安全・透明性の高い海洋散骨:水中ドローン による散骨場所の正確な記録や、GPSを活用した家族への散骨証明、そして海洋環境への影響を最小限に抑える技術(生分解性素材など)の開発に繋がります。
- 海洋資源としての石材:サステナブルな開発が求められる中、未来の石材の採掘・加工において、環境負荷の少ない技術やトレーサビリティの確保に、これらの知見が役立つでしょう。
5. まとめ:未来技術は「家族の想いを繋ぐ」ためにある

CEATEC 2025は、デジタル技術が私たちの生活のあらゆる側面に浸透し、より便利で豊かな未来を創ることを示していました。
私たち有限会社白田石材は、この波を恐れるのではなく、積極的に取り入れていきます。AIやIoTは、石材やお墓の**「ものづくり」のプロセスを効率化するだけでなく、お客様の「想い」をより深く理解し、カタチにし、次世代へと受け継ぐための「共創ツール」**です。
これからも、伝統的な技術と最新のデジタルイノベーションを融合させ、「白田石材に頼んでよかった」と思っていただけるよう、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供してまいります。
CEATEC 2025 開催概要
CEATEC 2025は、経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人々や技術、情報が集まり、「共創」によって未来を描く、デジタルイノベーションの総合展示会です。
| 項目 | 詳細 |
| 名称 | CEATEC 2025(シーテック 2025) |
| 会期 | 2025年10月14日(火)〜10月17日(金) (4日間) |
| 時間 | 10:00 〜 17:00 |
| 会場 | 幕張メッセ(国際展示場 ホール1〜6、国際会議場 ほか) |
| 入場 | 無料(全来場者登録入場制、事前登録が必要) |
| 主催 | 一般社団法人電子情報技術産業協会 (JEITA) など |
| テーマ | Innovation for All |
| 出展規模 | 810社/団体(過去3番目の多さ) |
| 来場者数 | 約98,884人 (会期4日間合計) |
