【災害大国・日本】大切な家族を守るために。高齢者や子供のための防災対策とは
■今を生きる家族の安全
はじめに
ここ数年、毎年のように日本のどこかで大規模な災害が発生していると感じる方は多いのではないでしょうか。地震、台風、豪雨など、日本は地理的・気候的な要因から、世界的に見ても自然災害が非常に多い国です。
私たち有限会社白田石材は、山形県西村山郡を拠点に、地域の皆様の暮らしに寄り添ってまいりました。お墓づくりを通じて、ご先祖様を敬い、家族の絆を見つめる大切さをお伝えしてきましたが、それと同じくらい「今を生きる家族の安全」もまた、かけがえのない宝物だと考えています。
今回のコラムでは、災害の多い日本で、特に守るべき存在である高齢者や子供たちをどうすれば守れるのか、その具体的な対策について考えていきたいと思います。

日本で特に注意すべき災害とは?
まずは、日本でどのような災害が多いのかを知ることが対策の第一歩です。
- 地震: 複数のプレートがひしめき合う日本列島は、世界有数の地震多発地帯です。建物の倒壊や家具の転倒、火災、そして津波など、甚大な被害を引き起こす可能性があります。
- 台風・豪雨: 夏から秋にかけて多発する台風や、近年増加している「線状降水帯」による集中豪雨は、河川の氾濫(洪水)や土砂災害の大きな原因となります。
- 土砂災害: 日本の国土の約7割は山地・丘陵地です。そのため、大雨や地震によって、がけ崩れ、地すべり、土石流などの土砂災害が起こりやすい環境にあります。
- その他: 冬には豪雪地帯での大雪による孤立や雪崩、また活動が活発化している火山による噴火など、私たちは常に様々な災害リスクと隣り合わせで暮らしています。
【観点別】高齢者と子供を守るための災害対策
災害時、高齢者や子供は「災害弱者」となりやすい存在です。いざという時に迅速かつ安全に避難できるよう、平時からの備えが何よりも重要になります。
1.平時から家族みんなで取り組む「共通の備え」
- ハザードマップの確認: お住まいの市町村が発行するハザードマップで、自宅や学校、勤務先周辺の災害リスク(浸水想定区域、土砂災害警戒区域など)を必ず確認しましょう。
- 避難場所・避難経路の確認: 災害の種類によって安全な避難場所は異なります。「地震ならこの公園」「洪水ならこの高台の小学校」というように、複数のパターンを想定し、実際に家族で歩いてみることが大切です。
- 非常用持ち出し袋の準備: 避難時に最低限必要なものをリュックサックなどにまとめておきましょう。
- <高齢者向けの工夫>
- 常備薬(最低3日~1週間分)、お薬手帳のコピー
- 持病に関する情報(かかりつけ医、緊急連絡先)を記したメモ
- 入れ歯、補聴器(予備の電池も)
- 体を拭くシート、口腔ケア用品
- 水分を控えることで起こりやすいエコノミークラス症候群予防のための着圧ソックス
- <子供向けの工夫>
- アレルギー対応食、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食
- おむつ、おしりふき
- 子供の不安を和らげるお気に入りのおもちゃ、お菓子、絵本
- はぐれた時のための連絡先を書いた名札
- <高齢者向けの工夫>
- 家具の固定: 地震による家具の転倒は、怪我の大きな原因となります。L字金具や突っ張り棒で、タンスや本棚、食器棚などをしっかりと固定しましょう。
- 家族との連絡方法の確認: 災害時には電話が繋がりにくくなります。「災害用伝言ダイヤル(171)」や各種SNSなど、複数の連絡手段を決めておきましょう。

2.高齢者を守るための特別な配慮
高齢者は、身体機能の低下や持病により、避難に時間がかかったり、避難所での生活が心身の負担になったりすることがあります。
- 早めの避難を心がける: 避難情報が発令されたら「まだ大丈夫」と過信せず、ためらわずに避難を開始することが重要です。特に、大雨や台風の際は、暗くなる前の明るいうちに行動しましょう。
- ご近所付き合いを大切に: 日頃から近隣の方とコミュニケーションを取り、「災害時には声をかけてほしい」と伝えておくことが、いざという時の助け合いに繋がります。地域の民生委員や自治会に、支援が必要な世帯として情報を共有しておくことも有効です。
3.子供を守るための防災教育と心のケア
子供たちを災害から守るためには、危険を教えるだけでなく、自分で考えて行動できる力を育むことが大切です。
- 「防災」を遊びに取り入れる: 「地震が来たらダンゴムシのポーズで頭を守ろうね」というように、ゲーム感覚で防災行動を教えましょう。防災関連の絵本やアニメを活用するのも効果的です。
- 子供の不安に寄り添う: 災害は子供の心に大きな不安を与えます。避難生活では、できるだけ子供と話す時間を作り、抱きしめてあげるなど、安心できる環境を整えてあげてください。

地域の繋がりこそが最大の「防災」
阪神・淡路大震災では、倒壊家屋から救出された人の多くが、消防や自衛隊ではなく、家族や近隣住民によって助け出されたというデータがあります。公的な支援(公助)がすぐに行き届かない大規模災害時において、私たち一人ひとりの備え(自助)と、地域社会での助け合い(共助)が命を守る鍵となります。
普段からの挨拶や地域のイベントへの参加が、いざという時に「〇〇さん、大丈夫ですか?」と声をかけあえる関係を育みます。
私たち有限会社白田石材も、この地域に根差す一企業として、皆様が安心して暮らせるまちづくりに貢献していきたいと強く願っています。お墓を守り、ご先祖様との繋がりを大切にすること。そして、今を生きる家族の安全を守り、未来へと命を繋いでいくこと。その両方が、私たちの務めであると考えています。
まずはご家庭で、防災について話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。