墓石の王様👑「御影石」とは?安山岩との比較でわかる圧倒的な耐久性と正しい手入れ方法
墓石に御影石が選ばれる理由:花崗岩が持つ「永遠」の強さ

御影石(みかげいし)は、お墓に使われる石材の代名詞です。その正体は、地下深くでマグマが数百万年かけてゆっくり冷え固まってできた「花崗岩(かこうがん)」という岩石。非常に硬く、耐久性に優れているため、「墓石の王様」と呼ばれています。古くから、風雨にさらされ、後世に長く受け継がれるお墓の材料として、これほど適した石材はありません。
御影石と安山岩:マグマの冷え方で生まれる決定的な違い
同じマグマが起源の石でも、御影石(花崗岩)と安山岩(あんざんがん)には決定的な違いがあります。それはマグマが冷え固まる場所とスピードです。

比較項目 | 御影石(花崗岩) | 安山岩 |
分類 | 深成岩(マグマが地下深くでゆっくり固まった) | 火山岩(マグマが地表や地表近くで急速に固まった) |
結晶(石目) | 結晶が大きく、粒々がはっきり見える(石英、長石、雲母など) | 結晶が小さく、均質で目立たない(ガラス質が多い) |
硬度・密度 | 非常に硬く、緻密。吸水率が極めて低い(水に強い)。 | 御影石に比べるとやや柔らかく、風化しやすい。 |
使われ方 | 墓石、建築物の外壁・床など、高い耐久性が求められる箇所 | 砕石、縁石、古い石垣など。古くは比較的安価な墓石にも使用された。 |
安山岩は御影石よりも風化しやすく、長い年月が経つと表面がざらつき、コケや汚れが付着しやすくなります。対して、御影石は高密度で吸水率が低いため、風化に強く、磨き上げた光沢が長持ちするのです。
御影石の見た目と種類:色も模様も千差万別

御影石の色は、主に含まれる「長石」や「雲母」の種類によって決まります。
- 白御影石(白・グレー系):最も一般的。白やグレーを基調とした、細かくて均一な石目を持つものが多いです。日本の銘石として「庵治石(あじいし)」「大島石(おおしまいし)」などが有名です。
- 黒御影石(黒系):高級感と重厚感があり、特にインド産の「クンナム」や「インド黒」は最高の黒として知られます。
- 赤御影石(赤・ピンク系):「桜御影」とも呼ばれるピンク系の「万成石(まんなりいし)」など、明るく華やかな印象を与えます。
大切な墓石を長く美しく保つ「正しい」手入れ方法

耐久性に優れた御影石ですが、正しい手入れをすることで、より長く輝きを保つことができます。
- やさしく洗う:水とやわらかいスポンジや布で、表面のホコリや花粉を洗い流します。金属たわしや硬いブラシは、石を傷つける原因になるため絶対に使用しないでください。
- 洗剤は中性・専用品を:汚れがひどい場合は、墓石専用のクリーナーか中性洗剤を使用します。御影石は酸に強いですが、お墓の目地に使われているセメントは酸に弱いため、酸性洗剤は避けるのが安全です。
- 水気を拭き取る:洗剤を使った後は、洗剤が残らないようにしっかりと水で洗い流し、乾いた布で水気を丁寧に拭き取ります。水分が残っていると、それが水垢やシミの原因になることがあるため、最後の水拭き取りは非常に重要です。