戒名の意味とは?由来や歴史、気になる費用相場を石材店が徹底解説
「戒名って、どうして必要なんだろう?」 「戒名の費用って、すごく高いイメージがあるけど実際はどうなの?」 「先祖代々のお墓に入れるのに、戒名は必須?」
山形県で長年お墓づくりに携わる有限会社白田石材です。お墓への彫刻をご検討されるお客様から、戒名に関するこうした疑問や不安の声をよくお聞きします。
故人様への最後の贈り物とも言える戒名。その本当の意味や歴史、そして多くの方が気になっている費用について知ることで、ご不安が解消され、より心のこもったご供養に繋がるはずです。
この記事では、石材店のプロの視点から、戒名の「意味」「歴史」「費用相場」を徹底解説します。

1. 戒名の本当の意味|なぜ授かる必要があるのか?
戒名とは、仏様の弟子になった証として授かる、あの世での新しいお名前です。仏教では、亡くなった方は俗世の名前(俗名)を離れ、仏様の世界へ旅立つと考えられています。その際に、迷うことなく極楽浄土へ導かれるための名前が戒名なのです。
「戒名料」は名前を買う代金ではありません
よく「戒名料」や「お戒名代」という言葉を耳にしますが、これは決して名前そのものを購入する代金ではありません。
戒名料は、故人様のために引導を渡し、戒名を授けてくださった**お寺様(ご住職)への感謝の気持ちを表す「お布施」**です。そしてそのお布施は、ご本尊へのお供えや、お寺の維持・管理、ひいては仏教の教えを後世に伝えていくための大切な費用として使われます。
戒名を授かることは、故人様が仏様の弟子として認められ、安らかに成仏するための重要な儀式であり、それに対する感謝の形がお布施(戒名料)なのです。
2. 戒名の歴史|いつから始まった?庶民に広まったのは江戸時代
戒名の歴史は古く、もともとは生前に出家し、厳しい修行の道に入った僧侶だけに与えられる名前でした。仏教の「戒律」を守ることを誓った証だったのです。
では、なぜ現代のように一般の人が亡くなった後に授かるようになったのでしょうか。 そのきっかけは、**江戸時代の「寺請制度(てらうけせいど)」**にあります。
当時、幕府はキリスト教を禁じるために、すべての人々がどこかのお寺の檀家(だんか)になることを義務付けました。これにより、人々とお寺の結びつきが強固になり、葬儀は仏式で行うことが当たり前になりました。そして、亡くなったすべての人に、仏様の弟子としての証である戒名を授ける習慣が、庶民の間に広く定着していったのです。

3.【費用相場】気になる戒名のランクと価格
「戒名っていくらくらいかかるの?」これは最も多く寄せられるご質問の一つです。 戒名料(お布施)は、あくまで感謝の気持ちなので「定価」はありません。しかし、戒名には故人様の生前の信仰の深さや社会への貢献度などによっていくつかの「ランク(位階)」があり、それによってお布施の目安も変わってきます。
位号(いごう)によるランクと費用相場
戒名は一般的に「院号」「道号」「戒名」「位号」で構成されますが、ランクを大きく左右するのが末尾に付く「位号」と、最上位の「院号」です。
ランク | 位号(読み) | 主な対象 | 費用相場(お布施の目安) |
一般的 | 信士(しんじ) 信女(しんにょ) | 仏教に帰依した男女 | 10万円 ~ 50万円 |
上位 | 居士(こじ) 大姉(だいし) | 信仰心が篤く、社会や寺院に貢献した男女 | 50万円 ~ 80万円 |
最上位 | 院号(いんごう) (院殿号・院号) | 寺院の建立に尽力するなど、極めて大きな貢献をした方 | 100万円以上 |
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※上記はあくまで一般的な目安です。宗派やお寺、地域によって大きく異なります。 ※浄土真宗は「法名」と呼び、ランク(位号)がないため、お布施の目安も異なります。
費用に関する注意点とポイント
- 菩提寺に正直に相談する: 費用に関して不安がある場合は、正直に菩提寺のご住職に相談することが大切です。「失礼にあたるのでは…」と心配せず、相談することで、家の事情に合わせたご提案をいただけることがほとんどです。
- 「戒名なし」という選択: 近年では、戒名をつけずに俗名(生前の名前)のまま供養する方もいらっしゃいます。ただし、先祖代々のお墓(菩提寺の墓地)に納骨する場合は、戒名がないと納骨を断られるケースがほとんどです。戒名をつけない場合は、宗教不問の公営・民営霊園などを探す必要があります。
- 生前戒名: 生きているうちに戒名を授かることを「生前戒名」と言います。縁起が良いこととされ、亡くなってから授かるよりもお布施を抑えられる傾向があります。終活の一環として検討される方も増えています。
4. 戒名を授かった後はお墓への彫刻を
ご住職から戒名を授かり、白木のお位牌に記された故人様の新しいお名前は、四十九日法要までに本位牌へと移され、お仏壇に安置されます。
そして、納骨や1周忌、三回忌には、その大切な証をお墓や墓誌(霊標)に刻みます。 この彫刻は、故人様が生きた証を後世に伝え、家族が手を合わせる拠り所となる、非常に大切な工程です。
有限会社白田石材では、いただいたお位牌の文字を寸分違わず、美しいバランスで彫刻いたします。旧字・異体字の確認から、彫刻のレイアウト、時期のご相談まで、専門家として丁寧に対応させていただきますので、安心してお任せください。

まとめ
戒名は、故人様があの世で安らかに過ごすための大切な名前であり、残された家族の感謝と敬意の表れでもあります。その意味や歴史を知ることで、費用への不安も少しは和らいだのではないでしょうか。
戒名に関する疑問や、お墓への彫刻に関するご相談は、決して一人で抱え込まず、まずは菩提寺様、そして私たちのような石材の専門家にご相談ください。
有限会社白田石材は、山形県寒河江市で、皆様の大切なご供養のお手伝いをさせていただいております。どんな些細なことでも、お気軽にお声がけください。