💻 突然のシステム障害から学ぶ:個人情報とデジタル資産を守る「デジタル終活」の重要性

通販大手アスクル社で発生したランサムウェア感染によるシステム障害は、多くの利用者に影響を及ぼし、デジタル社会におけるサイバーセキュリティの重要性を再認識させました。

企業だけでなく、私たち個人のパソコンやスマートフォン、そしてインターネット上のアカウントには、大切な「デジタル資産」や個人情報が詰まっています。これらの情報が攻撃者に狙われた場合、金銭的な被害だけでなく、信用失墜やプライバシー侵害といった深刻な事態になりかねません。

特に、終活の一環として、これらの「デジタル資産」をどう守り、どう引き継ぐか考えることは、現代において非常に重要です。


🛡️ 個人でできるサイバー攻撃対策:基本と終活への応用

サイバー攻撃から身を守るために、まず以下の基本的な対策を徹底しましょう。

1. 「強固なパスワード」と「二段階認証」の徹底

  • パスワードは長く複雑に: 大文字・小文字、数字、記号を混ぜた12文字以上のパスワードを設定し、サービスごとに使い回さないこと。
  • 二段階認証(多要素認証)の活用: ログイン時にパスワードに加え、スマートフォンなどに送られるコードなどを要求する二段階認証を設定することで、パスワードが漏れても不正アクセスを防ぐ確率が格段に上がります。

2. OSとアプリケーションを「常に最新」に保つ

  • 「アップデート」は防御策: OSやソフトウェアには、セキュリティ上の弱点(脆弱性)が日々発見されます。メーカーが提供するアップデートは、この弱点を塞ぐための防御策です。通知が来たらすぐに適用しましょう。

3. 「不審なメールやリンク」は触らない

  • フィッシング詐欺に注意: 実在の企業や金融機関を装ったメール(フィッシングメール)のリンクを安易にクリックしたり、添付ファイルを開いたりしないこと。送信元のメールアドレスをよく確認しましょう。

🪦 終活の視点から考える「デジタル終活」対策

終活とは、人生の終わりに向けて身辺整理をすることです。現代では、お墓仏壇の準備だけでなく、デジタル遺品の整理が欠かせません。

1. デジタル資産の「棚卸し」と「記録」

  • 利用サービス一覧の作成: ネット銀行、証券、ECサイト、SNS、サブスクリプションサービスなど、利用中のサービス名と登録メールアドレスを一覧にしてエンディングノートなどに記録します。
  • パスワードの安全な保管: パスワード自体をそのまま書くのは危険です。家族など信頼できる人にだけ解除方法が分かるよう、「ヒント」や「暗号化された情報」をエンディングノートに記載し、鍵のかかる場所に保管するなど、厳重に管理しましょう。

2. データの「バックアップ」と「生前整理」

  • 定期的なバックアップ: 大切な写真や文書データは、外部ストレージやクラウドサービスに定期的にバックアップを取っておきましょう。万が一ランサムウェアに感染しデータが暗号化されても、復元が可能です。
  • 不要なアカウントの整理: 長年使っていないサービスのアカウントは、情報漏洩のリスクを減らすためにも、生前に解約・削除しておきましょう。

3. 家族への「意思伝達」

  • デジタル遺品の扱い: 亡くなった後、家族にどの情報(アカウント)を削除してほしいのか、どの情報(写真など)を残してほしいのか、明確な意思をエンディングノートに記しておくことが、残された家族の負担を大きく減らします。

セキュリティ対策は、他人事ではありません。 大切な情報を守るための日々の小さな心がけが、未来の安心につながります。この機会に、ご自身のデジタルセキュリティと終活を見直してみてはいかがでしょうか。