【本当に「安かろう」で大丈夫?】格安葬儀・樹木葬の落とし穴と、後悔しないための「石屋の視点」

はじめに

近年、「小さなお葬式」や「樹木葬」といった言葉をテレビやインターネットで頻繁に目にするようになりました。「子供に迷惑をかけたくない」「費用を抑えたい」という想いから、こうした新しい供養の形を選ぶ方がここ山形県内でも増えています。

しかし、その一方で**「こんなはずじゃなかった」というトラブルや後悔の声**が後を絶たないことをご存知でしょうか?

今回は、創業以来、地元の供養を見守り続けてきた私たち「有限会社白田石材」として、ニュースではあまり報じられない「格安供養の裏側」と、知っておくべきリスクについてお話しします。


1. 「格安葬儀」の追加料金トラブル、年間1,000件超え

「葬儀一式 〇万円〜」という広告を見て申し込んだものの、最終的な請求額が見積もりの数倍に膨れ上がったという相談が、後を絶ちません。

独立行政法人国民生活センターのデータによると、「葬儀サービス」に関する相談件数は近年高止まりしており、2022年度には1,044件と1,000件を超えました。これは決して他人事ではない数字です。 ※出典元:独立行政法人国民生活センター「墓・葬儀サービス」

なぜ高くなるのか?

  • 「プラン外」の費用 ドライアイス代、安置料、搬送費など、実際には必須の項目が広告の格安料金には含まれず、「追加オプション」扱いになっているケースが大半です。
  • 下請け構造の闇 インターネットで集客しているのは「IT仲介業者」であり、実際に施行するのは安価で請け負わされた地元の下請け葬儀社である場合があります。利益が出ないため、現場でサービスの質を落としたり、強引にオプションを勧めざるを得ない構造があるのです。

2. 「樹木葬」の誤解と、土に還れない現実

「自然に還りたい」というイメージで人気の樹木葬ですが、ここにも落とし穴があります。

実はコンクリートの筒?

多くの樹木葬(特に都市型や公園型)は、土に直接埋葬するのではなく、地中に埋めた**コンクリートや塩ビのパイプ(カロート)**に骨壷を入れるだけの形式が少なくありません。「土に還る」イメージとは程遠いのが現実です。

「合祀(ごうし)」のリスク

「永代供養」といっても、永遠に個別のスペースがあるわけではありません。多くの契約では、13年や33年といった一定期間後に遺骨を取り出し、他の方の遺骨と混ぜて埋葬(合祀)されます。 一度混ざってしまえば、二度と遺骨を取り戻すことはできません。 後になって「やっぱりお墓に移したい」と思っても手遅れなのです。


3. 「運営会社が倒産」遺骨が取り出せない事件も

さらに深刻なのが、新しい供養ビジネスの経営破綻です。

数年前、札幌市で納骨堂が経営破綻し、閉鎖されるという衝撃的な事件がありました。宗教法人の名義を借りた民間業者がずさんな経営を行い、ある日突然、遺族が締め出されてしまったのです。

「お墓」は数十年、数百年と続くものです。流行り廃りで参入してきたビジネスライクな業者が、皆様の遺骨を50年先まで守ってくれる保証はあるでしょうか?


石屋としての「想い」:お墓は誰のためにあるのか

私たち白田石材は、単に石を売っているわけではありません。「手を合わせる場所」という安心を提供しています。

確かに墓石は初期費用がかかるかもしれません。しかし、そこには以下の価値があります。

  • 変わらない場所: 企業が倒産しても、そこに石がある限り、故人の居場所はなくなりません。
  • 個別の祈り: 遺骨が誰かと混ざることなく、家族だけでゆっくりと対話ができます。
  • 石の耐久性: 何十年、何百年と風雪に耐え、生きた証を刻み続けることができるのは、やはり「石」なのです。

「安さ」だけで選んでしまい、数年後に後悔されるお客様を見るのは、私たちとしても非常に辛いことです。

もし、費用面や後継者の問題でお悩みなら、まずは地元の専門家に相談してください。予算に合わせたお墓の建て方や、将来の「墓じまい」まで見据えた現実的なプランをご提案できます。

「うまい話」には必ず裏があります。 大切なご家族の最後を託す場所だからこそ、一度立ち止まって考えてみませんか?