「格安家族葬」の落とし穴と今後の課題：後悔しないために知っておくべきこと
近年、「格安家族葬」を謳うサービスが数多く登場し、費用を抑えたいご家族の間で広く選ばれています。しかし、単に価格だけで判断すると、思わぬ落とし穴に直面し、後悔することになりかねません。山形県で長年、皆様の「大切なご家族のお見送り」に寄り添ってきた有限会社白田石材として、この問題について深く掘り下げてお伝えします。
格安家族葬が抱える「3つの落とし穴」
1. 追加費用で「結局高くなる」落とし穴
「基本料金〇万円」と謳われていても、その内訳は必要最低限のサービスに限定されていることがほとんどです。以下のような項目は、追加費用として別途請求されるケースが少なくありません。
- 安置料金・ドライアイス費用： 病院からご遺体を移動させた後の安置場所や、ご遺体を保全するためのドライアイス費用は、日数に応じて加算されます。
- 火葬場利用料： 公営か民営か、また地域によっても大きく異なります。
- お棺の種類： シンプルなものから選ぶことになり、故人のイメージに合ったものを選ぶと追加費用が発生します。
- 宗教者へのお布施： 僧侶や神官を呼ばないプランが多く、故人の意向やご家族の希望で依頼すると別途費用がかかります。
- 返礼品・飲食代： 親族や参列者への返礼品、通夜振る舞いや精進落としの費用は、基本料金に含まれないことが一般的です。
最終的に、当初の予算を大幅に超えてしまうケースが後を絶ちません。
2. サービスや対応が「簡素化される」落とし穴
格安プランでは、葬儀担当者との打ち合わせ時間が短かったり、十分なサポートが受けられなかったりすることがあります。以下のような点で、心のこもったお見送りができない可能性があります。
- 担当者とのコミュニケーション不足： 複数の葬儀を同時に担当している場合など、故人やご家族の思いを汲み取る時間が不十分になりがちです。
- プラン変更の柔軟性： 「このプランは変更できません」と、融通が利かないケースがあります。故人の趣味や人柄を反映した演出を加えたいと思っても、対応してもらえないことも。
- 人件費削減による弊害： 納棺やご遺体のケアといった、専門的な知識と心遣いが必要な部分が簡素化されることがあります。
3. 故人やご家族の「後悔につながる」落とし穴
最も避けたいのは、葬儀後に「もっとこうしてあげたかった」という後悔が残ることです。
- 納得のいくお別れができない： 慌ただしく進行するプランでは、ゆっくりと故人と向き合う時間が持てない場合があります。
- 親族への配慮不足： 格安プランであることを親族に伝えきれず、不信感を生んでしまうことがあります。
- 形式にとらわれすぎた選択： 費用を優先した結果、故人が生前望んでいたお見送りとはかけ離れたものになってしまうこともあります。
格安家族葬が抱える今後の課題
「安さ」を訴求する広告が氾濫する中で、私たちは葬儀の本来の価値を見つめ直す必要があります。
1. 情報の透明性の確保
業界全体で、広告表示における費用内訳の明確化が求められます。何が基本料金に含まれ、何が別途費用となるのかを、誰もが理解できる形で提示することが重要です。これにより、ご家族が安心して葬儀社を選べるようになります。
2. 精神的なサポートの充実
葬儀は単なるセレモニーではなく、ご家族が故人との死別を受け入れ、新たな一歩を踏み出すための大切なプロセスです。費用を抑えつつも、ご家族の心のケアや、故人らしいお見送りを実現するための相談体制をいかに整えるかが、今後の大きな課題となります。
3. 価値観の多様化への対応
「安さ」だけでなく、「故人らしさ」「オリジナリティ」「伝統」など、ご家族の多様な価値観に合わせたプランを提供できるかが、葬儀社の真価を問われる時代です。
