お墓参りのQ&A完全解説|時期・持ち物・作法まで
お盆やお彼岸、故人の命日など、お墓参りに行く機会は年に何度か訪れます。「お墓参りの作法はこれで合っているのかな?」「何を持っていけばいいんだろう?」と、ふと不安に思うことはありませんか。
ご先祖様を敬い、故人を偲ぶ大切なお墓参り。その由来や作法は、地域や宗派によって様々ですが、基本を知っておけば、心穏やかにお参りすることができます。
この記事では、山形で長年お墓づくりに携わってきた有限会社白田石材が、お墓参りに関するよくある質問にQ&A形式で分かりやすくお答えします。

お墓参りの時期・タイミングに関するQ&A
まずは、お墓参りに行く時期や時間帯についての疑問にお答えします。
Q1. お墓参りはいつ行くのが良いですか?
A1. 基本的に、お墓参りはいつ行っていただいても構いません。
ご先祖様や故人を「想ったとき」がお参りするのに一番良いタイミングです。一般的には、以下のような時期にお参りする方が多いです。
- お盆(8月13日~16日頃 ※地域による)
- お彼岸(春分・秋分の日を中日とした前後3日間)
- 故人の命日、月命日
- 年末年始
- ご自身の入学、卒業、就職、結婚などの節目
大切なのは、ご先祖様に感謝を伝え、近況を報告したいという気持ちです。
Q2. お墓参りに行ってはいけない日はありますか?
A2. 基本的に、お墓参りに行ってはいけない日はありません。
「仏滅にお参りすると良くない」と気にされる方もいらっしゃいますが、仏滅は六曜という中国の思想に基づくもので、仏教とは直接関係ありませんのでご安心ください。
ただし、「ついで参り」は避けた方が良いと言われることがあります。これは、何かの用事のついでにお参りするのは、ご先祖様に対して失礼にあたるという考え方です。お墓参りを最優先の目的として、お出かけになるのが望ましいでしょう。
Q3. お墓参りに行く時間は決まっていますか?
A3. 午前中が望ましいとされていますが、厳密な決まりはありません。
午前中が良いと言われるのは、「ご先祖様との約束を後回しにしない」という考え方や、お寺の開門時間などを考慮してのことです。
しかし、ご都合に合わせて午後にお参りしても全く問題ありません。ただし、夕方暗くなってからのお参りは、足元が見えにくく危険なうえ、防犯上の観点からも避けた方が無難でしょう。
お墓参りの準備・持ち物に関するQ&A
次に、お墓参りに行く前の準備や持ち物について解説します。
Q4. お墓参りの持ち物を教えてください。
A4. 「お参りのための道具」と「お掃除のための道具」を準備しましょう。
霊園やお寺で借りられるものもありますが、事前に確認しておくと安心です。
【お参りのための道具】
- 数珠(じゅず)
- お花
- お供え物(故人が好きだったお菓子や果物など)
- お線香
- ろうそく
- ライターやマッチ
- 手桶とひしゃく(お寺や霊園で借りられることが多いです)
- 半紙(お供え物を置く際に下に敷きます)
【お掃除のための道具】
- ほうき、ちりとり(落ち葉などを掃き集めます)
- 雑巾やタオル(墓石を拭き上げます。複数枚あると便利です)
- スポンジやタワシ(柔らかいものを選びましょう)
- 歯ブラシ(文字彫刻など細かい部分の掃除に使います)
- 軍手(草むしりなどで手が汚れるのを防ぎます)
- ゴミ袋(出たゴミは必ず持ち帰りましょう)
Q5. 服装に決まりはありますか?
A5. 法要時以外は、普段着で問題ありません。
お盆やお彼岸などの平常時のお墓参りであれば、普段着で大丈夫です。ただし、あまりに派手な色や露出の多い服装は避け、落ち着いた色合いの清潔感のある服装を心がけましょう。
また、お墓掃除をすることが多いので、動きやすく、多少汚れても良い服装がおすすめです。法要が伴う場合は、喪服またはそれに準じた服装(ダークスーツなど)を着用します。

Q6. お墓に供えるお花の種類や選び方は?
A6. 故人が好きだったお花をお供えするのが一番です。
特に決まりはありませんが、一般的には長持ちする菊やカーネーション、リンドウなどがよく選ばれます。季節のお花を取り入れるのも良いでしょう。
一方で、トゲのあるバラや、香りが強すぎる花、毒のある花は避ける傾向があります。お花の色は、白、黄、赤、紫、ピンクなどを組み合わせた仏花セットが一般的ですが、故人の好きな色で選んであげるのも供養になります。
Q7. お供え物は何が良いですか?持ち帰るべき?
A7. 故人が好きだったお菓子や果物、飲み物が喜ばれます。
ただし、肉や魚などの生臭ものは避けましょう。お供えした食べ物や飲み物は、お参りが終わったら必ず持ち帰るのがマナーです。そのままにしておくと、カラスや動物に荒らされたり、腐って墓石を汚したりする原因になります。
お酒をお供えした場合、墓石にかけるのはシミや変質の原因になるため絶対にやめましょう。

お墓での作法・手順に関するQ&A
最後に、実際にお墓に着いてからのお参りの手順や作法について解説します。
Q8. 正しいお墓掃除の手順を教えてください。
A8. まずは敷地内をきれいにし、次に墓石を清めます。
ご先祖様が眠る大切なお墓です。感謝の気持ちを込めて丁寧に掃除しましょう。
- 敷地内の掃除: まずは、お墓の周りの雑草を抜き、落ち葉などをほうきで掃き集めます。
- 墓石の水洗い: 手桶にきれいな水を汲み、ひしゃくで墓石全体に水をかけます。
- 墓石を磨く: 濡らした雑巾や柔らかいスポンジで、上から下へと優しく汚れを落とします。硬いタワシで強くこすると墓石を傷つける原因になるので注意してください。
- 細かい部分の掃除: 文字彫刻の部分や花立、香炉などの細かい部分は歯ブラシなどを使ってきれいにします。
- 拭き上げ: 最後に乾いたきれいな布で、墓石全体の水気をしっかりと拭き取ります。
※墓石に洗剤や薬品を使うと、シミや変色の原因になることがあります。基本は水洗いのみにしましょう。頑固な汚れが気になる場合は、白田石材のような石材の専門家にご相談ください。
Q9. お参りの作法・順番を教えてください。
A9. 掃除が終わったら、お花やお供え物をし、心を込めて手を合わせます。
一般的なお参りの手順は以下の通りです。
- お供え: 花立に新しいお花を飾り、水鉢にきれいな水を注ぎます。半紙を敷いた上にお供え物を置きます。
- 打ち水: 墓石の頂上から、清めるという意味で打ち水(きれいな水をかけること)をします。※宗派や地域によっては行わない場合もあります。
- お線香をあげる: ろうそくに火を灯し、その火でお線香に火をつけます。お線香の火は、手で扇いで消すのが作法です(息で吹き消すのはNG)。火をつけたお線香は、香炉に立てるか、寝かせて供えます。
- 合掌礼拝: 墓石の正面に向かい、少し腰を落として墓石よりも低い姿勢で数珠を手に持ち、合掌します。目を閉じ、ご先祖様への感謝の気持ちや近況などを心の中で伝えます。
- 後片付け: お参りが終わったら、火の始末を必ず確認し、お供え物を持ち帰り、ゴミもすべて持ち帰ります。
まとめ
お墓参りに厳格すぎる決まりはありません。一番大切なのは、ご先祖様や故人を敬い、感謝する気持ちです。作法やマナーに自信がなくても、心を込めてお墓をきれいにし、静かに手を合わせるだけで、その想いはきっと伝わります。
お墓参りは、私たちが今ここにいることへの感謝を再認識し、故人との対話ができる貴重な時間です。
有限会社白田石材では、お墓の建立やリフォーム、クリーニングはもちろん、お墓に関するあらゆるご相談を承っております。山形でお墓のことでお困りの際は、どうぞお気軽にお声がけください。