石の豆知識:知っておきたい、石の種類と耐久性のはなし
お墓や記念碑など、永く受け継がれていくものだからこそ、石選びはとても重要です。今回は、石の種類によって「どのくらい長持ちするのか」「時間が経つとどうなるのか」といった、耐久性と風化についてのお話です。
なぜ石によって耐久性が違うの?
石は、大自然が作り出した天然の素材です。その成り立ちや含まれる鉱物の種類によって、硬さや密度が全く異なります。硬く、密度の高い石ほど、雨や風、気温の変化に強く、美しさを長く保つことができます。
お墓によく使われる代表的な石とその特徴
日本のお墓で最も多く使われているのは**「花崗岩(かこうがん)」です。一般的に「御影石(みかげいし)」**という名前で親しまれています。
1. 花崗岩(御影石) - 耐久性の王様
- 特徴: 水晶や長石といった非常に硬い鉱物で構成されており、石材の中でもトップクラスの硬度と耐久性を誇ります。密度が高いため、水を吸いにくく、雨や雪、塩害などにも強いのが特長です。
- 風化の時間: 非常にゆっくりと風化します。建立してから数十年、数百年という長い年月をかけて、少しずつ表面の光沢が落ち着いてきたり、色合いに深みが出たりしますが、石そのものが大きく劣化することはほとんどありません。適切な環境であれば、その形を数百年以上保つと言われています。永く受け継ぐお墓には最も適した石と言えるでしょう。

2. 安山岩(あんざんがん) - 歴史的建造物にも使われる丈夫な石
- 特徴: 花崗岩と同じく火山活動によって生まれた石で、耐久性に優れています。お城の石垣などにも使われてきた歴史があり、その丈夫さは折り紙付きです。色はグレーや黒系の落ち着いたものが多く見られます。
- 風化の時間: 花崗岩と同様に風化に強く、長期にわたって安定した状態を保ちます。日本の気候風土に適した石材の一つです。

3. 大理石(だいりせき) - 美しいけれど、少しデリケート
- 特徴: 美しい模様と独特の光沢で、屋内の装飾(床や壁など)によく使われる石です。しかし、主成分が「炭酸カルシウム」であるため、酸に弱いという性質があります。
- 風化の時間: 酸性雨に当たると、表面の光沢が失われたり、少しずつ溶けてしまったりすることがあります。そのため、雨風にさらされる屋外、特に**お墓としての使用はあまり向いていません。**その美しさは、室内でこそ活かされる石です。

石の寿命を左右する「環境」
石の風化は、石自体の種類のほか、置かれている環境にも大きく影響されます。
- 気候: 雨量が多い、冬の寒暖差が激しい(凍結と融解を繰り返す)地域は、石にとって厳しい環境です。
- 場所: 海の近くでは潮風による塩害、交通量の多い道路沿いでは排気ガスによる影響も考えられます。
だからこそ、その土地の気候や環境をよく理解し、最適な石を提案できる石材店選びが大切になります。
まとめ:永い安心のために、石選びはプロにご相談を
石は、種類によって見た目の美しさだけでなく、耐久性が大きく異なります。特に、世代を超えて受け継いでいくお墓には、日本の気候に合った耐久性の高い**花崗岩(御影石)**が最も安心してお選びいただけます。
私たちは、創業以来培ってきた知識と経験をもとに、お客様のご要望はもちろん、建立される場所の環境も考慮した最適な石選びのお手伝いをさせていただきます。石のことなら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。