【お盆の墓参り】なぜ行くの?その理由と大切にしたい意義
夏の風物詩ともいえる「お盆」。故郷へ帰省し、家族や親戚と久しぶりに顔を合わせ、お墓参りに行くという方も多いのではないでしょうか。当たり前のように行っているお盆の墓参りですが、その理由や背景にある意義を深く知ることで、ご先祖様への想いはさらに深まるはずです。
今回は、私たち日本人にとって古くから大切にされてきた、お盆の墓参りの風習について、その理由と意義を詳しくご紹介します。

お盆とは?ご先祖様の霊が帰ってくる期間
お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる仏教行事です。一般的に、ご先祖様の霊があの世(浄土)からこの世(現世)へ帰ってくると考えられている期間を指します。多くの地域では8月13日の「迎え盆」から16日の「送り盆」までの4日間をお盆の期間としています。
ご先祖様の霊が年に一度、家に帰ってくる。この大切な期間に、子孫である私たちが感謝の気持ちを込めておもてなしをするのが、お盆の様々な習わしの根底にあります。
なぜお盆にお墓参りをするの?その理由
では、なぜご先祖様の霊が「家」に帰ってくるお盆に、「お墓」へ参りに行くのでしょうか。それには、いくつかの大切な理由があります。
- ご先祖様の霊を気持ちよくお迎え・お送りするためお墓は、ご先祖様にとってはいわば「あの世での家」。年に一度の里帰りの際に、そのお住まいが汚れていては、気持ちよく過ごせません。お盆の前に墓石をきれいに洗い清め、周りの雑草を抜いて掃除をすることは、ご先祖様を「いつでもお帰りなさい」という温かい心でお迎えするための大切な準備なのです。そして、お盆の終わりには、現世での楽しい思い出とともに、また安らかに浄土へお帰りいただけるよう、感謝を込めてお見送りをします。
- 仏教の教えに基づく感謝の行いお盆の由来とされる仏教の説話に「盂蘭盆経」があります。お釈迦様の弟子である目連尊者(もくれんそんじゃ)が、餓鬼道に落ちて苦しむ亡き母を救うため、お釈迦様の教えに従って多くの僧侶をもてなしたところ、その功徳によって母親が救われた、という物語です。この話から、お盆にはご先祖様に感謝を捧げ、供養をすることが大切だとされています。お墓の前で静かに手を合わせることは、ご先祖様への最高の供養となるのです。
- お墓がご先祖様との対話の場所だからご先祖様の霊は家に帰ってくるとされていますが、お墓は故人が眠り、そして仏様になった場所です。いわば、この世とあの世を繋ぐ特別な空間といえるでしょう。お墓を訪れ、手を合わせることで、私たちはご先祖様の存在を身近に感じ、心の中で対話することができます。「いつも見守ってくださり、ありがとうございます」と日頃の感謝を伝え、家族の近況を報告する。お墓参りは、ご先祖様と心を通わせるための貴重な機会なのです。
お盆の墓参りがもたらす、現代における大切な意義
お盆の墓参りは、単なる昔からの習わしというだけではありません。忙しい現代を生きる私たちにとって、多くの大切な意義をもたらしてくれます。
- 家族の絆を深めるお盆は、普段は離れて暮らす家族や親戚が一堂に会する良い機会です。皆で一緒にお墓を掃除し、お参りをすることで、自然と会話が生まれ、家族の絆を再確認することができます。
- 自分のルーツを知り、命の尊さを学ぶご先祖様がいたからこそ、今の自分がいる。お墓の前で手を合わせる時、私たちは自分へと続く命の繋がりを実感します。自分のルーツに想いを馳せることで、命の尊さや、今を生きていることへの感謝の気持ちが芽生えるでしょう。
- 心を整え、明日への活力を得る静かなお墓の前で故人を偲び、語りかける時間は、日々の喧騒から離れて自分自身を見つめ直すきっかけにもなります。ご先祖様に見守られているという安心感は、私たちの心を穏やかにし、明日からまた頑張ろうという活力を与えてくれるはずです。
まとめ
お盆のお墓参りは、ご先祖様への感謝を伝え、供養するための大切な仏教行事であると同時に、家族の絆を深め、自分自身のルーツと向き合うための貴重な機会でもあります。それは、古くから日本人が大切にしてきた、目には見えないけれど豊かな精神文化の表れといえるでしょう。
この夏、お盆にお墓参りをされる際には、ぜひその理由と意義に想いを馳せてみてください。心を込めてお墓をきれいにし、静かに手を合わせるそのひとときが、きっとご自身にとっても、ご家族にとっても、そしてご先祖様にとっても、かけがえのない時間となるはずです。
私たち白田石材は、皆様がご先祖様を大切に想う心を形にし、世代を超えて受け継がれていくお墓づくりのお手伝いをさせていただきます。お墓に関するご相談がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。