【終活の新常識】生前葬とは?費用や流れ、メリット・デメリットを石材店が徹底解説
「終活」という言葉が一般的になり、ご自身の最期について考える方が増えています。その中でも、近年注目を集めているのが「生前葬」です。
「生きているうちにお葬式?」と驚かれるかもしれませんが、これは決して寂しいお別れではありません。むしろ、自分らしく、大切な人へ直接感謝を伝えるための、前向きで温かいセレモニーなのです。
こんにちは。山形県で皆様の心に寄り添うお墓づくりをお手伝いしている有限会社白田石材です。今回は、新しいお別れのカタチ「生前葬」について、その意味から費用、準備の流れ、そして気になるメリット・デメリットまで、詳しく解説していきます。
生前葬とは?従来のお葬式との違い
生前葬とは、その名の通り本人が生きているうちに、お世話になった方々を招いて行うお葬式や告別式のことを指します。「お別れ会」や「感謝を伝える会」といった形式に近く、宗教的な儀式に縛られず、自由な形式で行えるのが最大の特徴です。
従来のお葬式が、亡くなった後に故人を偲び、遺族が中心となって執り行うものであるのに対し、生前葬は本人が主催者となり、自らの言葉で人生を振り返り、感謝を伝える場となります。

なぜ今、生前葬が選ばれるのか?3つのメリット
生前葬を選ぶ方が増えている背景には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1. 自分の言葉で、直接「ありがとう」を伝えられる
最大のメリットは、お世話になった友人、知人、家族に対して、自分の口から直接、感謝の気持ちを伝えられることです。亡くなってからでは伝えられない想いを、元気なうちにしっかりと届けられます。
2. 自分らしい、自由な形式の会を企画できる
宗教や形式にとらわれる必要がないため、パーティー形式で明るく開催したり、趣味の音楽や作品を披露したりと、自分らしいオリジナルの会をプロデュースできます。ホテルの宴会場やレストラン、思い出の場所など、会場選びも自由です。
3. 遺される家族の負担を軽減できる
葬儀の準備は、精神的にも金銭的にも家族にとって大きな負担となります。生前葬を行うことで、誰を呼ぶのか、どのような形式にするのかを自分で決められるため、遺された家族の負担を大幅に減らすことができます。また、葬儀費用の心配も軽減されます。
知っておきたい生前葬のデメリットと注意点
もちろん、生前葬には注意すべき点もあります。後悔しないためにも、デメリットをしっかり理解しておきましょう。
- 周囲の理解が得にくい場合がある 「縁起でもない」と考える親族や友人がいる可能性も。なぜ生前葬を行いたいのか、その想いを事前に丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。
- 費用が二重にかかる可能性がある 生前葬を行ったとしても、亡くなった後には火葬や納骨が必要です。その際に、ごく近しい親族のみで「火葬式」や「直葬」といった簡単な葬儀を行うことが多く、別途費用がかかります。
- 香典や服装の案内を明確にする 参列者が最も迷うのが香典と服装です。混乱を避けるため、案内状に「会費制」であることを明記したり、「香典は固くご辞退申し上げます」と一言添えたりするのが親切です。服装も「平服でお越しください」と指定すると、参列者の負担が少なくなります。
【形式別】生前葬の費用相場は?
生前葬の費用は、形式や規模によって大きく変動します。
形式 | 費用相場 | 内容 |
パーティー・会食形式 | 30万円~100万円以上 | レストランやホテルの会場費、飲食代、返礼品代などが主な費用。招待客の人数によって変動します。 |
宗教儀礼を取り入れた形式 | 20万円~80万円 | 僧侶による読経など、宗教的な儀式を取り入れる場合。お布施などが別途必要になります。 |
シンプルな形式 | 10万円~30万円 | 親しい人だけを招き、小規模な会場で会食や歓談を中心に行う形式。 |
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費用を抑えたい場合は、公的な施設を利用したり、飲食を簡単なものにしたりといった工夫が可能です。
生前葬の準備から当日までの流れ
生前葬を成功させるためには、事前の準備が重要です。
- 目的とコンセプトを決める 「感謝を伝える」「旧交を温める」「人生の節目を祝う」など、何のために生前葬を行うのか、会の中心となるコンセプトを決めましょう。
- 招待客のリストアップと日時・場所の決定 誰に感謝を伝えたいかを考え、招待客をリストアップします。人数が決まったら、それに合わせた会場と日時を決定します。
- プログラムの作成 挨拶、食事・歓談、思い出のムービー上映、余興、記念撮影など、当日のプログラムを具体的に考えます。
- 案内状の送付 日時、場所、会の趣旨、そして会費制か香典辞退か、服装などを明記した案内状を、1〜2ヶ月前を目安に送付します。
- 当日 当日は主催者として、ゲスト一人ひとりとの交流を楽しみ、感謝の気持ちを存分に伝えましょう。
生前葬のあと、そしてお墓のこと
生前葬は、あくまで生きているうちのセレモニーです。亡くなった後の火葬や納骨、そしてご遺骨を納める**「お墓」の準備**も、終活の重要な要素です。
生前にお墓を建てることを「寿陵(じゅりょう)」と呼び、古くから縁起の良いこととされています。ご自身の眠る場所をご自身で選び、デザインを決めることで、残される家族の負担を減らせるだけでなく、ご自身の心の安心にも繋がります。
生前葬で人生の一区切りをつけ、お墓の準備まで済ませておくことで、心穏やかにこれからの人生を過ごすことができるでしょう。

まとめ:生前葬は、未来を明るく生きるためのセレモニー
生前葬は、お世話になった方々へ感謝を伝え、人生を肯定的に締めくくるための新しい選択肢です。自分らしい最期を迎えるための準備は、これからの人生をより豊かに、前向きに生きるための活動でもあります。
有限会社白田石材では、お墓づくりの専門家として、皆様の終活に関するお悩みにも真摯に耳を傾けます。生前葬のこと、そしてその先のお墓のことまで、何かご不安な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。